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風をあつめて 第9章

2012年10月13日(土)/at MUSICASA
朗読:松浦このみ
ピアノ:西村由紀江
作品:乙一作「失はれる物語」

今までなら選ばなかった種類の作品をやることにしました。
「失はれる物語」
決して楽しい物語ではないけれど、そこから感じてもらえるものがきっとある、と思いました。

それでも『辛すぎた』という感想はいくつかいただき、 そういう方も当然いらっしゃると思います。
作品の中で「ピアノ」が大切な役割を担っているので、西村さんのピアノにどう入っていただこうか、とても迷いました。
私に考えられる最善の形を自分ではとったつもりですが、 ほかの方が演出したら、どうつくるのだろう、ということにも、少し興味がわきます。

西村さんは何度リハをしても、毎回、そのとき私が読む物語とともに居てくださいます。
毎回、私と同じ空気を吸っていてくれる。
そういうあり方をしてくださる方でないと、あの形はうまくいかないのです。得難いパートナーです。

非常に個人的なことでありますが、今回はこの公演を通して、何十年と交流が途絶えていた友人との再会が複数ありました。
そのようなことでも、あぁ、この公演を続けていてよかった、と、力をもらえる自分がいます。

今、これを書いているのは公演終了からちょうど一週間たった時期なのですが、もうすでに来年のことを考えています。
来年は「風をあつめて」第十章になります。加えて私がこの公演をはじめて丸15年という節目の年。
いつもと変わりなく、とも思いますが、さて、どうなることでしょう。

ご来場くださったお一人お一人の方、
応援してくださっている方々、
支えてくれている皆さん、
ありがとうございます。
心より感謝をこめて。

松浦このみ